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このポインタアの雑種は、房一の往診にはどこへでもついて来た。いゝ路づれだつた。
と、盛子は大げさに滑稽な顔をしてみせた。
「私もこれで元は法律書生でしてね。司法官か弁護士試験でも受けるつもりで、神田の私立大学に通つていたもんです」
そのとき、女房に命じて、温泉を加熱する装置を施してもいいか、ときかせると、
「へえ。――ズブツとね」
「それに――」
「どうでした」
庄谷はあの冷笑するやうな白眼で、物好に訊きたがる人に答へた。
房一はすぐと、大石練吉のことを思ひ浮かべた。大事をとるといふ名目で、彼の対診を求めることにしたのである。
根津はだまって答えなかった。その翌日、彼は城外で戦死した。
「ふむ、トンネルのハッパだな」
「あれだね、君は見かけによらない――親思ひなんだね!」
「へえ、どういふわけでせう」